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脳神経外科


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スタッフ紹介
外来診療担当表

2017年11月1日時点

診療科 受診方法
脳神経外科 初診・再診 休診日
(手術日)
岡田 富
(第1・3・5週)

瓜生 康浩
(第1・3・5週)

休診日
(手術日)
藤津 和彦
宮原 宏輔
(第2・4週)
谷野 慎
(第2・4週)
市川 輝夫

受付時間 : 平日 8:30~10:30
救急疾患の場合を除き、初診には紹介状が必要となります。
専門外来は、地域連携室を通して完全予約制となります。

概 要

  藤津和彦前副院長(現手術顧問)は脳腫瘍(特に頭蓋底の難しい腫瘍)や脳動脈瘤の手術数とその成績において、当院脳神経外科を全国的にトップクラスの脳神経外科に発展させました。新病院においても手術を目的に紹介される患者の為の外来(金曜日午前)、紹介患者の手術および脳神経外科スタッフの手術及び学会、論文発表の指導を今まで通りのスケジュールで行います。

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対象疾患

頭蓋底髄膜腫、頭蓋咽頭腫、聴神経腫瘍、類上皮腫、下垂体腺腫、血管芽腫、海綿状血管腫、神経膠腫、その他の脳腫瘍、眼窩内腫瘍、脳動脈瘤(未破裂および破裂=くも膜下出血)、脳動静脈奇形、顔面けいれん、三叉神経痛、頭部外傷、脊髄腫瘍ほか。back

施設・設備紹介

 最新式の多機能搭載手術顕微鏡(Zeiss Pentero) を2台所有し、並列手術可能な態勢をとております。術中蛍光(ICG)血管造影や蛍光腫瘍造影機能を搭載しているため手術の安全性が高まり、またニューロナビゲーター(StealthStation TREONTM)を併用することにより、さらに手術精度が確実となります。ファイバースコープ(内視鏡)による治療も症例により行っています。

【設備最新情報】
1) 最新式多機能搭載手術顕微鏡(図1)

 天井懸架式最新型手術顕微鏡(天井懸架式Pentero4®)に ハイビジョンビデオシステムを接続し鮮明な術野をモニタリングしながら以下の機器を複合して使用することにより、これまで以上にリアルタイムでの詳細な情報を得ることができるようになりました。この最新式多機能搭載手術顕微鏡を用いることで、さらに安全確実な手術が可能となりました。また同時に、同型の移動式最新型手術顕微鏡(移動式Pentero4®)も導入されました。最新型手術顕微鏡を2台擁している施設は珍しく、緊急手術や並列手術にも対応可能な環境を整えております。また各手術顕微鏡にはICG(インドシアニングリーン、 アイ・シー・ジー)5-ALA(アミノレブリン酸、ファイブアラ)という蛍光撮影装置を取り付けています。ICG蛍光脳血管撮影は顕微鏡を用いても見極めること が難しい微小な血管を蛍光発色させて見やすくします。一方、5-ALA蛍光脳腫瘍撮影は、正常脳との境界が不明瞭な腫瘍の境界を蛍光発色させて際立たせます。これらは手術時の安全性を高め、確実な手術の支援をする非常有用な最新式の装置です。

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2)ハイビジョンカメラ内臓神経内視鏡およびエンドアーム(図2)

 最新式ハイビジョン内視鏡(オリンパス社製HD内視鏡®)、有機ELモニター、エンドアーム(endoarm®)が新しく導入され、高解像度でより広く鮮明な術視野が得られ、顕微鏡の死角となる重要構造物裏面の確認が可能となりました。経鼻的下垂体手術や動脈瘤手術および頭蓋底腫瘍の手術支援に大変役立っています。また内視鏡の固定具も、人間の腕のように自在に動きが可能な最新式ロボ ットアーム装置を導入し手術効率も改善されました。従来の経鼻的手術ではCアーム(術中X線装置)を用いて手術を行っておりましたが、最新式内視鏡を用いることで術中被爆は皆無となり、より体への負担が軽減されます。

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3)手術支援機器(ニューロナビゲーションシステム、汎用画像診断装置ワークステーション)(図3)
 当院では頭蓋底手術などの難しい手術に際して威力を発揮するニューロナビゲーションシステム(StealthStation TREONTM®)を2002年1月より全国に先駆けて導入し、さらに発展させたシステムを2010年4月新病院開院とともに導入しました。本システムは頭蓋底部の難しい手術(巨大動脈瘤,頭蓋底髄膜腫,聴神経腫瘍,頭蓋咽頭腫など下垂体部腫瘍の手術)をより安全確実に行うための 最新式手術支援装置です。 ニューロナビゲーターとは手術前に撮影したCTやMRIの情報をもとに、手術中にメスの先の位置、目的とする腫瘍あるいは血管までの方向と距離をリアルタイムに表示してくれるコンピューター手術支援装置です。 

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 最新式ニューロナビゲーターは手術顕微鏡に常設されており、術者の注目した部位を瞬時にニュ ーロナビゲーター画面に表示してくれます。 これは脳腫瘍で肉眼的に正常と異常の見分けがつかないような場合、その部分を切除するか否かの判断に極めて有用です。 そればかりでなく腫瘍の各部分や危険な血管等の目標点までの方向・距離を示してくれ、脳深部に病変がある場合など、正確且つ安全に病変部まで導いてくれます。 

4) 立体式脳血管撮影装置 (図4)
 脳血管撮影、脳血管内治療、心臓カテーテルなどに用いる血管撮影装置が2014年4月に更新されました くも膜下出血の原因である破裂脳動脈瘤や脳動静脈奇形 、未破裂脳動脈瘤、あるいは脳腫瘍の栄養血管などを3D(3次元)画像でより鮮明にとらえることができます。 本装置は正面および側面像を一度に撮影できるバイプレーン式の為、放射線被爆量および造影剤使用量とも軽減でき、さらに診断と治療の質を一層向上させることができます。 本装置ではこれまでよりさらに鮮明に血管の状態を把握でき、病態によっては本装置を用いて血管内治療を行うこともあります。

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5) 汎用画像診断装置ワークステーション(図5)
 さらに2015年3月から汎用画像診断装置ワークステーション(Ziostation®)を導入し、術前の各種画像検査では把握が困難で術野からはわかりにくい場面を、手術室に居ながら即座に再現できるようになりました。

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 その他各種脳神経モニタリング(視覚誘発電位VEP、蝸牛神経活動電位CNAP、顔面神経モニタリング、聴性脳幹反応ABR、体性感覚誘発電位SEP、運動誘発電位MEP等)、3Dフュージョン画像構築(CT、MRI、脳血管撮影の融合)、術前画像とニューロナビゲーションシステムの融合などを、放射線科、麻酔科、神経内科、耳鼻科、眼科ほか他科とも連携をとりながら最新鋭の装置を複合して使用することにより、今まで経験に裏付けされた職人技が頼りだった脳外科手術が、より客観的で正確なものになりました。 藤津和彦顧問の指導によって当科は従来より脳の手術においては、県下はもとより全国的にも卓越した経験数と技術を誇っておりましたが、これらの最新式装置によって職人技にコンピューター誘導装置の支援が加わりさらに最短時間で最小限の手術、すなわち『より安全で精緻で低侵襲な手術』が行えるようになりました。 ハイビジョンビデオシステム(図6)は術中の麻酔科医や看護婦への情報伝達に有力であるばかりでなく紹介医(多くは脳外科医)等の手術見学にも役立っています。 これらの最新式装置を有効に用いて、脳の難しい病気の手術治療に一層の貢献をしています。
(図6)

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診療実績


【手術患者さんの内訳と手術成績】

 2013年度一日平均入院患者患者数50人、年間総手術数450例。 脳腫瘍105件(内; 広範囲28件)、脳動脈瘤154件で内訳は脳腫瘍(眼窩内腫瘍を含む)と破裂及び未破裂脳動脈瘤を中心とする脳血管障害が大部分を占め、脳神経外科二大疾患の手術数は首都圏近郊で毎年突出して上位を占めており、腫瘍と血管障害ともに上位を占めている施設は全国的にも稀です。

★ 救急手術は、クモ膜下出血(図7)の原因である 破裂動脈瘤(図8, 9)、動静脈奇形脳出血が多く、このほか外傷性頭蓋内出血慢性硬膜下血腫などが続きます。破裂脳動脈瘤等の救急手術は術前の重症度によって後遺症が決定されるので総括的に成績を論じても意味がありませんが、少なくとも手術死亡例や手術による直接の悪化は稀でありほとんどの例で良好な成績を修めております。



★ 予定手術は未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍(後述の如く手術の難しい頭蓋底部の各種腫瘍、神経膠腫、血管芽腫、海綿状血管腫、類皮腫、脊索腫等)、 脊髄腫瘍 と顔面痙攣、三叉神経痛の手術が多くを占めます。いずれも手術目的で紹介されることが多いのですが、難しい頭蓋底の手術では脳の圧排を最小限度にする(低侵襲手術) 目的で藤津顧問によって開発され学会・論文発表された多くの新しい頭蓋底顕微鏡手術法(眼窩頬骨法(図10)、正中頭蓋底法(図11)、経脈絡裂法(図12)等)が行われており、手術死亡や重篤合併症は稀でありほとんどの例で良好な成績を修めております。特に難しい頭蓋底腫瘍の手術では【設備最新情報】で紹介した多機能搭載手術顕微鏡(コンピューターナビゲーション装置、ICG蛍光脳血管撮影、5-ALA蛍光脳腫瘍撮影、その他モニタリングシステム、汎用画像処理システムが威力を発揮し、安全確実な手術を可能にしています。


★ 難しい頭蓋底の腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、聴神経腫瘍、頭蓋咽頭腫、巨大下垂体腺腫)などはいずれも全国トップクラスの診療実績をもち藤津顧問の最も得意とする分野なので各地から紹介されます(2014年末までの累積手術で床突起ズイマクシュ86、錐体斜台髄膜腫78、鞍結節髄膜腫60、聴神経腫瘍236、頭蓋咽頭腫81はいずれも全国トップクラス)。特殊な病変である眼窩周辺腫瘍は藤津顧問が全国最大の累積170例を経験しています。これらの腫瘍は原則全摘をして根治を目指しますが海綿静脈洞に進入する髄膜腫(図13, 14)のように各種の脳神経障害が予想される部位では神経周辺の腫瘍を小部分残し定位放射線治療(=ガンマナイフ、Xナイフ、ノバリス、サイバーナイフ、重粒子線等の総称)を追加することがあります。定位放射線治療(特にガンマナイフやサイバーナイフ、ノバリス)追加を要すると判断した際は県下3施設と提携しており、いずれが適しているかは病変の性質によって異なりますので十分検討して説明しています。頭蓋底のその他の部位、 あるいは円蓋部(頭の上の方)の髄膜腫はほとんどの例で、手術で全摘し後遺症なく社会復帰や自宅退院しています。



★ 聴神経腫瘍の大きなもの(3cm以上)ではいかに大きい腫瘍でも可能な限り手術で全摘を目指すとともに、可能な限り顔面神経を温存し、ほとんどの方が後遺症なく社会復帰や自宅退院しています。小さいもの(2cm未満)で聴力が残っている場合は、顔面神経だけでなく 聴力温存にも工夫し、全体で3分の2の方に有効聴力を温存しています。特に1.5cm以下の場合、ほぼ全例に有効聴力を温存できています。有効聴力を温存できるかどうかは術前に悪い方の耳で電話が十分に聞こえるかどうかが目安になります。一方、ガンマナイフ治療では直ぐに腫瘍が完全消失することはありませんし、最近の研究では2000人に1人の割合でガンマナイフ後の悪性化(癌化)が問題になっています。したがってよほどの高齢でない限り、聴神経腫瘍の治療は手術が優先すると確信しております。しかしこの手術は術者によって成績に著しい差が生じますので注意することが重要です。このことは頭蓋底の難しい腫瘍として挙げた腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、巨大下垂体腺腫)全体に共通していえることなので術者の経験と成績を詳細に確認する必要があります(図15, 16)。なお高齢や著しい合併症のために全身麻酔下の手術が不能な方には定位放射線治療を勧めることもあります。


★ 間脳下垂体腫瘍のうち頭蓋咽頭腫では藤津顧問が開発し学会・論文発表した前述の各種の頭蓋底顕微鏡手術でほとんどの方で全摘が行われます(図17, 18)。時に難治例に遭遇しますが、そのような例でも追加手術、ガンマナイフあるいはサイバーナイフによって良好な成績を収めています。 特に小児ではその後の成育を考えて放射線・化学療法を行わずに手術だけで正常成人へ成長させる工夫をしています。特に小児では術直後には尿崩症のコントロール等、大変な時期もあり得ますので、状況により提携している小児専門機関を御紹介しておりますが、これを乗り越えると多くの皆さんが日常生活に復帰し、正常な発達をしております。成人に達し難治例となっている場合にはガンマナイフやサイバーナイフを考慮します。



★ 下垂体腺腫に対しては巨大例で開頭、微小例で内視鏡下経鼻手術を行います。前者では多機能搭載顕微鏡が、後者では最新式ハイビジョン内視鏡およびエンドアームが偉力を発揮します。この最新式機器に加え、コンピュータナビゲーション装置、汎用画像診断装置ワークステーション、VEP(視神経モニタリング)、X線透視装置などを併用することでより安全確実に手術を行っております。本腫瘍は良性であるにもかかわらず学会でも報告される如く5%程度に再発が認められ、中には数回以上も再発を繰り返し治療に難渋する例があります。難治例には投薬、ガンマナイフでコントロールしています。 

★ 今まで述べた腫瘍は、手術は難しいのですが病理組織学的には良性の腫瘍です。言い換えると難しい手術を術者の経験と技術で乗り越えれば完治の望みもある病気です。これに反して神経膠腫(グリオーマ)、胚芽腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍などは手術に放射線・化学療法を追加してもなお悪性度の高いものでは1-2年で再発悪化を示し、その悩みは全国脳神経外科施設で全く変わりません。
ただし当科ではコンピュータナビゲーション装置や各種モニタリングのおかげで 広範切除術が可能となり、術中迅速病理組織診断の結果で症例によってはカルムスチン脳内留置用剤(ギリアデル®)を腫瘍摘出腔内に留置することにより若干の好成績を示しています。さらに術後放射線治療や各種化学療法(テモゾロミド(テモダール®)、ベバシズマブ(アバスチン®)、メトトレキセート等)も施行しております。ただし当科のように手術が中心の施設では悪性腫瘍の末期の患者さんやその御家族には満足の頂けるような終末医療を提供することは難しいのが現状です。患者さんや御家族の希望を確認した上でできるだけ療養型病院やホスピス等の専門施設を御紹介するようにしています。

★ 脳ドック等で発見され、紹介される未破裂脳動脈瘤は年間約100例です。前述の如く、この治療症例に関しても首都近郊で毎年突出して上位を占めています。 開頭手術(クリッピング術)と血管内手術(コイル塞栓術が主)とのいずれを選ぶかは瘤の部位、大きさ、形状を十分検討して患者さんと相談します。年間破裂率が2-3%と言われても患者さんにとっては100%か0%の問題です。又、手術合併症が何%と言われてもそれは術者次第の数字です(後述のセカンドオピニオンの項を参照下さい)。いずれにしても未破裂脳動脈瘤が発見された患者さんの精神的不安は想像以上で、仕事につかなくなったり“うつ”状態になったり何とか解決してあげないと快適な生活を送ることが出来なくなります。 ただここで藤津顧問が学会等で常に主張している重要な点がいくつかあります。 一般の人たちにとっては大変詳細な議論になりますが、患者さんにとっては御自身の運命を決める大変大事なことですので注意して読んでください。
 まず第1に、カテーテルによる塞栓術は頭を開かなくてすむ分安全であるという先入観が患者さんの側にある事です。これが大変な誤解であることは内視鏡手術やカテーテル手術で生命に関わる合併症が最近相次いで報告されていることでも理解できると思います。開頭や開腹を伴わないこれらの処置はいったん大出血等の事故が生じると取り返しのつかない事態にもなりかねません。 
頭を開いていればたとえ大出血が生じても迅速に対応でき、命にかかわる事態は防げますがカテーテル治療中にそのようなことが起きれば自然に止まるのを期待するか、さもなくばすぐに手術室に運んでそれから1-2時間かけて開頭するかしかありませんが、それではたぶん手遅れになるでしょう。 少なくみても3人に2人の動脈瘤は部分的にきわめて危険な薄い壁を持ち、中の血流が透見できるほどです。この部位にコイルが当たれば容易に破裂するかもしれません。しかも術前の血管撮影では動脈瘤の壁の薄さまでは判定できないのです。 
 次に重要なは経験数の差です。たとえば藤津顧問は3000例を超える脳動脈瘤の手術経験がありますが、カテ点ーテル治療を2000例以上やっている人はまずいないだろうと思います。なぜならこの治療法が始まって、20年以上年間100例を越える症例をこなした人は希少と思われるからです。 しかしカテーテル治療しか方法のない例もあります。 
重篤で開頭手術に耐えられない例、手術不能例などです。 
しかし手術の大変難しい動脈瘤の多くは瘤が大きくしかも瘤の頚部が広いタイプです。このような例はカテーテル治療でもコイルが安定せずに流れ出して脳の血管を閉塞し、脳梗塞を生じる危険性も高いのです。 
特に内頸動脈と脳底動脈の 巨大動脈瘤 (2.5cm以上)は治療が極めて難しいものです。当施設では巨大動脈瘤は15-20%の合併症を残しています。それでも他施設の巨大動脈瘤における悲惨な成績に較べれば圧倒的な好成績であると学会では評価されています。それ以外のラージまたは通常の大きさの未破裂動脈瘤では過去5年以上死亡例0、重篤合併症例も極めて稀であり、全国的にも卓越した成績を残しています。これに対してカテーテル治療中に生じた動脈瘤の破裂や脳梗塞などの重大合併症は多い施設で10%、少ない施設でも3%と報告されています。カテーテル治療における治療不完全例(動脈瘤を充分に閉塞できなかった例)や再発例(動脈瘤の中にせっかくできた血栓があとで溶けてしまって又再び動脈瘤ができてしまったという例)を含めると30~40%にも達しています。これに対してカテーテル治療の合併症や再発率は多い施設では10-20%、少ない施設でも4-5%と報告されています。したがって安全に手術できる部位の動脈瘤には原則的に開頭手術治療を勧めています(図19, 20, 21)。どうしても血管内治療が必要な患者さんに対しては【設備最新情報】で紹介した血管撮影装置を用いて専門家を招聘して行う場合や血管内指導医のいる提携病院へ紹介することがあります。
★ 顔面痙攣三叉神経痛の手術においても当施設では過去に1例も死亡例、重篤な合併症例はありません。これらの疾患は直接生命を脅かすわけではないにもかかわらず手術によって脳に大きな損傷を与えてしまい、命にかかわる重大な後遺症が残ってしまったという話を時々耳にします(後述のインフォームドコンセントの項を参照下さい。) ので、慎重に手術を受ける脳外科医と施設を選ぶ必要があります。当科では前述の如く重大な合併症は1例もないのですが手術効果が 満足のゆくものでない例が10例に1例くらいあります。このような手術効果不足例の頻度は専門の学会で報告されている頻度とほぼ同じです。その原因はいろいろの説がありますがまだ十分には解明されていないようです。この点をよく説明を受けてご理解の上で手術を決断するようにしてください。

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インフォームドコンセント、セカンドオピニオン等について

 最近の問題の1つは脳ドック等で発見された無症候性未破裂動脈瘤の手術で、2つ目は三叉神経痛顔面痙攣のように生命を直接脅かすわけではない疾患の手術です。 血管内治療や手術によって致命的合併症を生じたという話を時に耳にしますが、幸いにして当科では今まで生命に関わる重大な合併症を残してはいません。 しかし血管内治療にしても開頭手術にしてもいずれも手術である以上絶対という保証はどんな名医でもできませんし、中には巨大動脈瘤のように極めて難しい病変で後遺症を覚悟しなければならないこともあります。 また血管内治療が良いか手術治療が良いかの相談にも応じています。 前項の未破裂動脈瘤の項も参照下さい。セカンドオピニオン外来等で充分に相談されてから治療を決断されるようにお勧めします。 これに関連して最近特に話題となっているインフォームドコンセント(informed consent):十分な説明のもとに同意承諾する、evidence-based medicine(EBM):客観的事実に基づいた医療、セカンドオピニオン(second opinion):一施設の治療方針の説明だけでなく他施設の意見を聞くシステム、等についての考えを述べさせて頂きます。
 当科外来にもセカンドオピニオンを求めて来院される患者さんが増えています。 元の病院でどのような説明をされているか聞いてみて大変気になることが一つあります。 Evidence-based medicineを行おうとする医師の姿勢は大いに評価できますが、外科系、特に手術に関する説明において教科書的、全国統計的死亡率や成功率を引き合いに出されていることが多い点です。 
 内科治療ではそれでも充分にEvidenceとなるかもしれませんが、手術(血管内治療を含む)は端的に申し上げれば術者の腕前にほぼ100%依存するものです。
患者さんが本当に求めているEvidenceとは、眼前の脳外科医とその施設の脳外科の経験数とその成績であるはずです。 
 これは血管内治療やガンマナイフにおいても同じです。
脳神経外科医1人の手術経験数が最近極端に減少しつつあり、しかも血管内治療も未だ発展途上の治療であるというのが現状ですが、幸い当科は経験数、成績ともに卓越しておりますので手術に関する相談には自信を持ってお答えできます。
 藤津顧問の指導のもとに市川病棟診療部長、宮原部長、岡田医長をはじめ全医師が他施設の追随を許さない経験数を重ねています。患者さんが手術を依頼する施設を選ぶときには、当該施設が御自身の病気の手術をはたしてどの程度経験し、そしてどのような成績であるかということは重大な関心事です。 
 遠慮なく医師個人の経験数と成績をお聞きになる方がよいでしょう。
特に、ややもすると手術技量よりも研究業績が重視されがちな大学病院等では手術をする医師を確認し、その医師の経験と成績を示してもらって他施設と比較検討することが大事です。この点に関してご不満があれば当院外来では常時相談に応じています。 また当院では学会でも度々報告していますが、術後の整容にも配慮しており、希望に応じ無剃毛あるいは部分剃毛で手術を行っています(ただし無剃毛が困難な部位では広範囲に剃毛する場合もあります)。 
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診療予約状況

  常に手術待機中の患者さんが多数予約されていますが、緊急を要する場合は適宜早急に対応します。

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連携紹介

 当院は横浜、鎌倉、藤沢、湘南地方と逗子、葉山、横須賀、三浦半島にまたがる広い診療圏を持つ基幹病院で、県下に国立大学病院が無いこともあって、1993年当時の藤津部長(現手術顧問)着任以来当脳神経外科ではどの大病院よりはるかに多くの難しい脳手術を行い(病床50、2013年度脳外科手術450)、他施設との診療連携を密にしています。 当科に入院される患者さんの殆どは大手術を必要とされて県内外の施設や大学から紹介されたり、救命目的で近隣から救急搬入される方です。
 同質の治療を他施設でも受けることのできる疾患や手術を必要としない患者さんは診療連携により他病院へ紹介をすることがありますので、この点は何とぞご理解下さい。
 2010年4月より病床数510、7階建て、バスロータリーを含む広大な駐車場を整備した新病院の中で診療をスタートしました。

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教育及び研究活動(実績)

 脳腫瘍病理で全国的に有名な柳下三郎先生(現:神奈川リハビリテーション病院病理検査部長)を月1回お招きし、当院の新野検査科部長、椎名放射線科部長を交えて柳下先生のご指導のもとに県下の大学病院を含む多くの施設の脳神経外科医が集って脳腫瘍病理カンファランスを行っております。 その他、週3回 症例検討会、月1回 抄読会、脳腫瘍検討会、脳血管障害検討会、神経放射線合同カンファランスを行っております。

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論文発表(実績)

Journal of Neurosurgery, Neurosurgery, Surgical Neurology, Neuropathology, ACTA Nerurochirurgica, Skull base, Neurologia medico-chirurgica, ultrastructural pathology, Neurosurgery quarterly,Journal of Neurological surgery,ultrastructural pathology,Neurosurgery quarterly,Journal of Neurological surgery,医療,脳神経外科速報,脳神経外科ほか

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学会発表(実績)

Meningiomas and Cerebral Venous System,Panpacific Neurosurgery Congress,脳神経外科学会総会,頭蓋底外科学会,脳腫瘍学会,脳腫瘍の外科学会,脳卒中学会,脳卒中の外科学会,脳神経外科手術と機器学会,間脳下垂体腫瘍学会,整容脳神経外科研究会,The Mt.Fuji Workshop on CVD,脳ドック学会ほか

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研修情報

県下に国立大学病院がない為、当施設が脳神経外科学会専門医訓練基幹施設となっています。神奈川県下4大学病院以外での脳神経外科学会専門医訓練基幹施設は当施設だけです。詳細は市川部長、藤津顧問その他の脳神経外科スタッフに問い合わせ下さい。学生研修や、初期および後期レジデントの受け入れは基本的には常時可能です。また手術見学は事前にご連絡頂ければ随時受け入れております。2010年3月まで手術室で使用していたZiss NC-4天井懸架顕微鏡は研究室床置き型に改変し、skill-up labo使用としました。Micro-anastomosis練習だけでなく頭蓋底多角アプローチの実習にも使用できます。

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外来診療担当医

外来診療担当はこちらをご覧下さい。 

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外来について

 月曜日および木曜日は外来診療を行っておりませんので、それ以外の曜日に受診されるようお願いいたします。
 ただし紹介やセカンドオピニオン、手術依頼等は緊急の対応を要するものは、毎日対応しま す。詳細は月-金の午前中、脳神経外科・神経内科外来ナースにお問い合わせ下さい。 また状況により神経内科医が初診することもありますのでご了解ください。
 土、日、夜間: 救命センターと連携して緊急入院、緊急検査、緊急手術に24時間対応します。
とくに意識状態が比較的良いにも拘らず突然の激しい頭痛や麻痺、呂律不良などが出現した場合、迅速な対応を要する脳卒中が疑われます。脳卒中は治療開始にいたるまでの時間をいかに短縮するかがその後の回復を左右する恐ろしい病気です。このようなより緊急を要する方に対応する為、2013年10月からSHライン(Stroke脳卒中, Headache頭痛)を開設しました。これは神奈川県下の救急隊と協力し、24時間365日救急隊から直接当科および神経内科スタッフが連絡を受けることにより、これまでよりさらに迅速に、そしてこれまでより多くの脳卒中の患者さんを受け入れ治療を行っております。

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スタッフ紹介

 藤津和彦手術顧問(東京大学卒、神奈川県脳神経外科手術手技研究会会長、日本頭蓋底外科学会理事、日本脳神経外科手術と機器学会名誉会員、日本脳神経外科学会専門医)の方針のもと、出身大学や医局に捉われず優秀な人材を集め、育てています。

役 職
氏  名
専 門 分 野
認定医・専門医・所属学会等
手術顧問
ふじつ かずひこ
藤津 和彦
脳神経外科
頭蓋底腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫)、脳動脈瘤の手術
東京大学卒、日本頭蓋底外科学会理事、日本脳神経外科手術と機器学会名誉会員、神奈川脳神経外科手術手技研究会会長
病棟診療部長
いちかわ てるお
市川  輝夫
脳神経外科
頭蓋底腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫)、脳動脈瘤の手術
金沢大学卒、日本脳神経外科手術と機器学会理事、神奈川脳神経外科手術手技研究会世話人、神奈川脳神経外科懇話会世話人、日本脳神経外科学会専門医及び指導医
部 長
みやはら こうすけ
宮原 宏輔
脳神経外科
頭蓋底腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫)、脳動脈瘤の手術
横浜市立大学卒、日本頭蓋底外科学科評議員、神奈川脳神経外科手術手技研究会理事、神奈川Stroke Forum運営委員、日本脳神経外科学会専門医及び指導医、日本脳卒中学会専門医、日本脳卒中の外科学会技術指導医
医 長
おかだ とむ
岡田 富
脳神経外科一般
横浜市立大学卒、日本脳神経外科学会専門医及び指導医
医 師
たにの しん
谷野 慎
脳神経外科一般
愛知医科大学卒、日本脳神経外科学会専門医及び指導医、日本脊髄学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本体育協会公認スポーツ医
医 師
うりゅう やすひろ
瓜生 康浩
脳神経外科一般
神経内視鏡手術、
間脳下垂体
山形大学卒、日本脳神経外科学会専門医及び指導医、日本神経内視鏡学会技術認定医
医 師
はたおか しゅんすけ
畑岡 峻介
脳神経外科一般
血管内手術
横浜市立大学卒、日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療専門医、日本脳卒中学会専門医
医 師
たなか ゆうすけ
田中 悠介
脳神経外科一般
山梨大学卒、日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
医 師
すずき こうじ
鈴木 幸二
脳神経外科一般
信州大学卒、日本脳神経外科学会専門医
医 師
わたなべ のぶゆき
渡邉 信之
脳神経外科一般
東京慈恵会医科大学卒、日本脳神経外科学会専門医
その他にローテーションレジデントが常時2~3人。
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