アクセス


各セクションメニューへ

治験とは何か?

「治験」という言葉をご存知でしょうか。 
最近ある新聞に「うつ病」や「肥満」といった分野の広告が掲載されていましたので、ご覧になられた方も多いと思います。「治験とは」との問いに対しては,一般に以下のような内容で説明されています。 
「薬ができるまでには、まず研究室での実験や動物での試験などを行います。そこで人に使用しても効果や安全性に問題は無いだろうと判断された薬だけが人に飲んでもらう段階に進みます。しかし、人と動物では体の仕組みが違うため、動物で試験を行なっただけでは本当に人で役立つのか,安全性に問題はないのかなど確かなことはいえません。そこで,実際に人の病気を治すのに役立つかどうか、調べる必要があります。このような、人で効果と安全性を調べる試験のことを「臨床試験」と言い、その中でも厚生労働省から薬として認めてもらうために行う臨床試験を「治験」といいます。」 
つまり,新しい薬を世に出すために人を対象に行うものです。 

   ・ 治験はどこの病院でもおこなわれているの?
   ・ だれでも治験に参加できますか?
   ・ 詳しい説明はだれがいつしてくれるの?
   ・ 治験に参加するかどうか、その場で決める必要がありますか?
   ・ 治験は安全ですか?
   ・ 治験に参加するとどんなメリットがありますか?
   ・ 治験に参加したら費用はどうなるのですか?
   ・ デメリットとしてはどのようなことがありますか?
   ・ プライバシーは守られますか? 
   ・ 治験終了後、集められたデータはどのように生かされますか?
   * 治験コーディネーターとは?

ph

治験はどこの病院でもおこなわれているの?

治験はどこの病院でも行なわれている訳ではありません。 治験によって実施される医療機関は決められています。

だれでも治験に参加できますか?

治験の募集基準をクリアしていることが、参加の初期条件となります。
そのうえで治験を行う病院で検査を受けていただき、患者さんの安全の確保と治験の目的に合致していることの確認を行ったうえで、参加が決定されます。

詳しい説明はだれがいつしてくれるの?

治験担当医師が患者さんに対して直接おこないます(予備的な説明を治験コーディネーター*が行う場合もあります)。 そのさい誤解が生じないように文章を用いて説明をおこない、十分に理解した上で同意をしていただくことになります。

治験に参加するかどうか、その場で決める必要がありますか?

治験担当医師などから説明を受けたあと、文書を持ち帰りご家族の方などと十分に相談してから決めていただくことが出来ます。 また、治験への参加は患者さんの自由意志ですのでいつでも取りやめることが出来ます。 取りやめた場合にも、患者さんに不利益となる扱いを受けることはありません。

治験は安全ですか?

すでに販売されている薬でも、副作用には常に注意しておく必要があります。
治験では安全を優先し、患者さんはいつでも担当医師や治験コーディネーター*などに相談できるようになっています。
また、病院は副作用が発生した場合には、ただちに適切な処置が行える体制になっています。 病院内には治験審査委員会が設置され、治験を引き続き実施するかどうかが検討されると共に、定期的に治験の安全性がチェックされます。
さらに治験は、安全の確保と人権保護のために法令化された治験の実施基準(GCP)に基づいて計画され、実施されます。
このように治験は二重三重の安全性への配慮のもとに行われています。

治験に参加するとどんなメリットがありますか?

治験への参加は、患者さんの善意に基づくボランティア(無償の行為)です。
開発中の薬を使うため治験中は専門医により一般診療より詳しい検査等が行われます。
また、新しい薬による治療を一般より早く受けることができ、従来のくすりよりも患者さんに合うこともあります。
薬として承認されたときには、病気で苦しんでいる方々の治療に役立ちます。
その他、治験中は治験に関わる治療費の一部が軽減されたり、治験に関わる来院毎に交通費などの負担軽減費を一定の範囲でお支払いする制度もあります。

治験に参加したら費用はどうなるのですか?

治験の場合、費用について国の定める制度(特定療養費制度)が適用されています。
これにより、治験薬(治験で使用する薬)を使用している期間中の検査費と、一部のくすりの費用は無料(製薬会社の負担)になりますが、初診料やその後の診察費などについては通常の診療と同様に患者さんの負担が発生します。
そのほか通院の交通費などの負担軽減費を一定の範囲でお支払いする制度もあります。
詳しいことは治験コーディネーター*におたずねください。

デメリットとしてはどのようなことがありますか?

患者さんによって違いがありますが、通院や検査のため余分に時間をさかなければならない場合があること、治験のスケジュールや注意事項を守らなければならないこと、日誌をつけていただいたり運動・食事制限がある場合もあること、治験によっては既存の薬との比較やプラセボ(薬の成分を含まないもの)との比較を行うため新しい薬ではない薬を飲む可能性もあることなどです。これらのことについては担当医師から説明がありますので、了承の上で参加していただくことになります。

プライバシーは守られますか?

患者さんの個人情報の保護については、法律で守秘義務がかせられ、違反すると罰せられます。治験中のデータも厳密に管理されます。

治験終了後、集められたデータはどのように生かされますか?

治験で良好な結果が得られると、製薬会社はそれまで蓄積した数多くのテスト結果(データ)をまとめます。全体の結果が良好であると判断されれば、厚生労働省にくすりとしての使用を承認してもらうための申請をおこないます。
厚生労働省では、治験が適性に実施されたかどうかの審査を行い、その後薬事・食品衛生審議会による最終的な審査を受け、その結果治験の妥当性、くすりの利き目、安全性、品質が認められると、新薬として承認を受けることになります。

* 治験コーディネーターとは?

治験担当医師を手助けし、治験全体の調整役を行うのが治験コーディネーター(CRC)です。治験コーディネーター(CRC)は各治験協力部署への連絡、服薬・通院スケジュールの管理、また被験者の日常生活に関する質問や心配事の聞き取りを行い、治験担当医師に取り次ぐなどの業務を行い、患者さんがいつでも安心して治験が受けられるようお手伝いするスタッフです



もどる

ページのトップへ戻る